四国水族館で「アマモの苗床」づくり体験 宇多津の海に藻場を取り戻す取り組み

瀬戸大橋のたもと、香川県宇多津町にある四国水族館が、アマモの苗床作成体験イベントを開催します。宇多津町沿岸のアマモ場を再生する取り組みの一環で、この取り組みは環境省の「令和7年度中国四国地方令和の名水づくり・里海づくり地域支援事業」に採択されています。
体験の内容は、空のペットボトルに砂とアマモの種子、海水を入れて、種子を発芽させるための「アマモの苗床」をつくるというものです。できあがった苗床を冷暗所で保管すると、アマモが発芽します。発芽して育った苗は、後日、四国水族館と地元の漁業協同組合等の関係者によって、宇多津町沿岸のアマモ場に移植される予定です。

2026年10月25日(日)と11月1日(日)の2回開催
第1回は館内で専門家の講演と体験
2026年10月25日(日)の第1回は、四国水族館の館内が会場です。時間は13:30~15:50で、本館棟1階の綿津見ホールとイルカ棟1階のレクチャールームを使います。苗床づくりに先立ち、この事業のメンターを務める島袋寛盛先生と田中丈裕先生の2名の専門家による講演が行われ、その後、希望者を対象に2回入れ替え制で苗床作成体験が開かれます。
- トークイベント(13:30~14:35/本館棟1階 綿津見ホール):開会あいさつ・先生方のご紹介(約5分)、島袋先生による講演(約25分)、田中先生による講演(約25分)、質疑応答および先生方によるフリートーク(約10分)
- 島袋先生の演題:『瀬戸内の「海の森」を守ろう!〜科学の目線と先進地の歩みから導く藻場と未来〜』
- 田中先生の演題:『海を大復活させた奇跡の物語 〜日生のアマモ場再生の歩み〜』
- アマモの苗床作成体験(14:50~15:50/イルカ棟1階 レクチャールーム):各回先着15組の2回入れ替え制。前半の回は14:50〜15:10(限定15組)、後半の回は15:30〜15:50(限定15組)。第1部終了後に希望者へ整理券を配布
- 対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
- 参加費:無料(四国水族館への入館料が別途必要)
- 持ち物:なし(空のペットボトルは館で用意)
- 協力:環境省 中国四国環境局四国事務所
講演する島袋寛盛先生は、国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所のグループ長です。鹿児島大学大学院を修了後、独立行政法人水産総合研究センター(現・水産研究・教育機構)瀬戸内海区水産研究所に入所し、長年にわたり藻場の生態・保全に関する研究に携わってきました。専門は水圏生産科学(藻場、海藻、生態系、気候変動など)。近年は、地球温暖化に伴う海水温の上昇が引き起こす、日本各地の「磯焼け」や藻場分布の変化、アマモの一年草化といった海の異変に対し、ダイバーとして自ら海に潜る現場観測と最新の生態系データ分析を用いて、そのメカニズムを解明しています。全国の沿岸域や漁業現場で藻場再生プロジェクトのアドバイザーも務めています。
田中丈裕先生は、特定非営利活動法人(NPO)里海づくり研究会議の理事・事務局長です。高知大学大学院を修了後、1979年に岡山県庁に入庁し、32年間にわたって水産行政に携わり、同県水産課長を最後に退職しました。2012年には”里海”の提唱者である柳哲雄氏らと「NPO法人 里海づくり研究会議」を設立。40年以上にわたり、備前市日生町地区など瀬戸内海沿岸を中心に、海のゆりかごといわれるアマモ場の保全・再生に力を注いできました。2026年6月には「令和8年度環境保全功労者表彰」を受賞し、内閣府地域活性化伝道師としても活動しています。
第2回は「宇多津秋の大収穫祭」の会場で体験のみ
2026年11月1日(日)の第2回は、講師の登壇はなく、苗床づくりの体験のみを行います。会場は香川短期大学学生駐車場周辺で開かれる「宇多津秋の大収穫祭」の特設ブースで、水族館職員のサポートを受けながら随時参加できます。つくった苗床は自宅の冷暗所で保管し、発芽したら水族館へ持ち込む仕組みです。
- 日時:2026年11月1日(日)10:00~16:00(所要時間:10分程度)
- 定員:先着100名(定員になり次第終了)
- 対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
- 参加費:無料
- 持ち物:よく洗って蓋をした空のペットボトル
- 協力:環境省 中国四国環境局四国事務所
- 後援:宇多津町教育委員会
シャコやクルマエビが獲れた海をもう一度
宇多津町沿岸には、かつて子どもたちがシャコやクルマエビを獲り、家庭の食卓を支えた豊かなアマモ場が広がっていました。しかし近年はアマモ場の衰退によって漁獲量が減り、地域と海との関わりも薄れつつあります。四国水族館は地元の漁業協同組合や自治体と連携し、アマモ場の再生に向けた調査・モニタリングを進めてきました。勉強会の開催、アマモの花穂採捕・播種、育苗・移植試験、ドローン空撮によるアマモ場のモニタリングといった準備を重ね、これらの取り組みと今後の計画が評価されて、今回の環境省の支援事業に採択されています。館では、宇多津の海が再び豊かさを取り戻し、子どもたちが海と触れ合いながら育つ未来を目指して、引き続き地域と連携しながら活動を続けていくとしています。
四国水族館は「四国水景」をテーマに、約400種の生きものを展示する水族館です。生きものだけでなく、四国の文化や人の営みとともにある環境も水槽の中で表現しており、時間帯や季節によって異なる楽しみ方ができます。
- 所在地:香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4
- 通常営業時間:9:00~18:00(最終入館は17:30)
- 入館料:大人(高校生・16歳以上)2,600円、小中学生1,400円、幼児(3歳以上)700円、3歳未満無料
- アクセス:JR宇多津駅から約1km(徒歩約12分)、坂出I.Cまたは坂出北I.Cから約10分
- TEL:0877-49-4590
出典:株式会社四国水族館開発










