マンダリン オリエンタル、サステナビリティを経営の根幹に据えた新指針「MO.RE(モア)」を発表

ラグジュアリーホテルの新しいかたちを示す「MO.RE」
香港とバンコクの2カ所で誕生し、現在は30の国と地域で計47軒のホテル、16のレジデンス施設、43の「エクセプショナル・ホームズ」を展開しているマンダリン オリエンタル。同グループが、新たな行動指針のプラットフォーム「MO.RE(モア)」を発表しました。名称は英語の「MORE」に、マンダリン オリエンタルの略称「MO」を組み込んだ造語です。サステナビリティをグループ全体の事業展開や経営方針の根幹に据えながら、卓越したゲスト体験の創出につなげることを目的としています。
「MO.RE」は、グループ全体のサステナビリティに関する方針や目標、具体的な取り組みを体系化したものです。「レジリエンス(強靭性)」「リコネクション(つながりの再構築)」「リジェネレーション(再生)」の3本の柱を軸に、従来の常識に捕らわれないラグジュアリーホスピタリティの新たな在り方を提唱しています。3つの柱は、投資・開発・設計から運営、ゲスト体験に至るまで、ホテルのライフサイクル全体にわたるあらゆる意思決定の指針として使われます。
同グループは、15年前に設定した2030年までのサステナビリティ関連の目標に向けて、環境保全や地域社会への貢献に取り組んできました。ホテルでのガスや燃料の使用による直接排出(スコープ1)と、購入した電力などの使用による間接排出(スコープ2)を合計した床面積当たりの温室効果ガス排出量は、これまでに2012年比で33%削減。従業員によるボランティア活動の累計時間は8万時間を超えています。「MO.RE」は、漸進的でコンプライアンス主導型の取り組みの枠を超え、事業やホテルが所在する地域のレジリエンスを高め、人々と自然や文化とのつながりを再構築し、地域社会や生態系に継続的なプラスの影響をもたらすことを目指すものです。
3つの柱と主な取り組み・目標
1つ目の柱「MO.レジリエンス(MO.REsilience/強靭性)」は、気候変動に強いホテルと地域づくりを目指すものです。
- 各ホテルの気候変動リスク評価:所在地域の気候変動リスクを評価して優先的に取り組むべき適応策を明確にし、その結果を開発・設計から運営に至るまでの意思決定に活用します。
- 2050年までのネットゼロ達成に向けた脱炭素化計画:エネルギー利用方法の見直しや建物・設備の改善を通じ、2050年までに温室効果ガス排出量ネットゼロ達成を目指します。
- 「スコープ3」排出量の可視化:取引先やホテルのオーナー、開発パートナーと連携し、商品・サービスの仕入れ、建設、廃棄物、輸送など、バリューチェーン経由で発生する間接的な温室効果ガス排出量の的確な把握と長期的な削減に取り組みます。
2つ目の柱「MO.リコネクション(MO.REconnection/つながりの再構築)」では、地域の自然や文化、その土地ならではの魅力に根ざしたファミリー、食、ウェルネスのプログラムを通じて、ゲストやスタッフが体験し、楽しみ、心に刻めるものとして「サステナブル(持続可能な)ラグジュアリー」のコンセプトを再定義します。
- 「バイオダイバーシティ・キッズクラブ」:子どもたちが遊びや科学的な学びを通じて自然や生態系への理解を深めるプログラム。2030年までに、新規開業するリゾートの75%での実施を目指します。
- 年に一度の「MOファミリーデー」:従業員とその家族がホテル周辺の自然や生態系に触れながら、共に学び体験を分かち合う機会。2028年までに、全ホテルで毎年開催することを目標としています。
- 食とウェルネスの没入型体験プログラム:地元の旬の食材を生かした食体験や、自然の中での運動やリラクゼーションを通じて、滞在先ならではの魅力を深く体感できるプログラム。2030年までに、全ホテルで少なくとも1つの自然体験プログラムを導入する予定です。
3つ目の柱「MO.リジェネレーション(MO.REgeneration/再生)」は、ホテルが所在する地域への投資によって、高級なホスピタリティ活動を可能とする生態系や地域社会、人々の技能、地域に受け継がれる文化や伝統を育み、環境や社会への負荷を軽減するだけでなく、地域の持続的な繁栄に貢献するものです。
- 生物多様性の保全:優先的に保護されるべき陸域や淡水域、海洋の生息環境の保全・再生に取り組み、グループ全体として2030年までに、世界各地で計100平方キロメートルに及ぶ自然環境の保護および再生への貢献を目指します。
- 職業訓練:ホスピタリティ分野の職業訓練や就業体験、奨学金などを通じて若者の技能習得とキャリア形成を支援し、2030年までに計1,000人の若者に機会を提供することを目標としています。
- 芸術・工芸の支援:地域のアーティストや職人との協働、作品制作の依頼、文化体験などを通じて伝統技術の継承や創作活動を支え、2030年までに50人以上のアーティストや職人への支援を行う予定です。
- セレブリティ・ファンズチャリティープログラム:同グループを愛用する世界的な著名人が参加する広告キャンペーン「セレブリティ・ファンズ」のコミュニティを通じ、アンバサダーの著名人や賛同するパートナー、支援者と連携して、地域社会に貢献する慈善活動の認知向上や参加促進、支援の拡大に取り組みます。
五行思想から着想を得たロゴ
「MO.RE」のロゴは、3本の柱を表現するとともに、マンダリン オリエンタルが受け継いできたアジアの伝統や文化の要素を取り入れています。デザインの着想源は、古代中国の「五行思想(ごぎょうしそう)」。自然界を構成する「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素が互いに影響し合い、絶えず変化することで調和が保たれるという考え方で、ロゴにはバランスや相互のつながり、絶え間ない変化によって持続的な調和が生まれるという世界観が込められています。途切れずにつながる形状は3つの柱の相互関係を、中央の円形のシンボルは、漸進的な進化に留まらず、現在のラグジュアリーホスピタリティに求められる抜本的な変革へと舵を切る姿勢を表しています。
経営陣が語る「MO.RE」の位置づけ
グループ最高経営責任者(CEO)のローラン・クライトマン氏は、マンダリン オリエンタルが長年にわたり先駆者としての精神を原動力に、ラグジュアリーホスピタリティにおけるサステナビリティの推進に取り組んできたと振り返り、「MO.RE」をその取り組みを大きく前進させる重要な一歩と位置づけています。サステナビリティを事業の周辺的な取り組みから経営の中核に据え、事業の強靭性と運営の質を高めながら、ゲストに感動をもたらし、ホテルごとの個性を形づくる地域の魅力や価値の保持に取り組むとし、今後のグループの成長において目指す事業のあり方や、未来に残したいレガシーを形づくる指針になると述べています。また、チーフ・オブ・スタッフ兼グループ・サステナビリティ・ディレクターのカンデ・カマラ氏は、ゲストがますます重視する、その土地ならではの魅力や地域とのより深いつながり、地域の未来に貢献するホスピタリティといった価値観に沿って運営の意思決定を行い、パートナー企業と共にサステナビリティを実現しながら、ゲストにとっても喜びを感じられる豊かな体験へとつなげていくことを目指すとコメントしています。取り組みの詳細は、公式レポート「MO.RE Report」(英語表記)にまとめられています。










