静けさを味わう旅へ。トルコ・エルズィンジャンの渓谷と赤い湖、今シーズンのスキー場もオープン

日々の忙しさや喧騒から離れ、静けさを「何もない状態」ではなく、旅の体験の一部として味わえる。そんな場所に、旅行者の関心が集まっています。2026年には、旅行者の43%が自然界とのつながりをより強く感じるために休暇を取りたいと答え、4人に1人(25%)が旅行中により静かな過ごし方を取り入れています。
トルコ観光広報・開発庁(TGA)は、2026年秋の注目旅行先として、東アナトリア地方に位置するエルズィンジャンを提案しています。エルズィンジャンは、かつて歴史的なシルクロードの重要な中継地点でした。豊かな文化遺産に加えて、ほかではなかなか見られない自然の造形が残っています。トレッキングやキャンプ、ロッククライミング、ラフティング、パラグライダーなど、季節ごとのアウトドア・アクティビティも楽しめます。世界最大級の渓谷のひとつであるカランルク渓谷や、鮮やかな赤色の水をたたえるオトルクベリ湖、秋の彩りに包まれるギルレヴィク滝などを巡りながら、混雑を離れて過ごせる土地です。

ケマリエとカランルク渓谷、ギルレヴィク滝とオトルクベリ湖
断崖を削った「石の道」とカランルク渓谷
エルズィンジャンの自然を巡るなら、ケマリエは外せない立ち寄り先です。ユーフラテス川のほとりの谷間にひっそりとあるこの町は、ユネスコ世界遺産暫定リストへの掲載と、チッタスローの認証の両方を持っています。スリルを求める旅行者を迎えるのは、有名なタシュ・ヨル(石の道)です。高さ400~500メートルの切り立った崖に挟まれた全長7キロメートルの道で、手作業で岩を削って造られ、世界で最も危険な道路のひとつとして広く知られています。
この道を走り抜けるとケマリエの伝統的な家並みが見えてきますが、この町の本当の魅力は周囲の劇的な景観にあります。地域を一望するなら、シャーヒン・ヒルが最高の展望地点です。なかでもとりわけ存在感を放つのがカランルク渓谷です。ユネスコ世界遺産暫定リストに掲載されていて、世界で最も深い渓谷のひとつに数えられます。ロッククライミングやキャニオニング、ウイングスーツフライング、ベースジャンピングといったアクティビティに適しています。渓谷にはユーフラテス川最大の支流であるカラス川も流れていて、ラフティングやカヌーなどのウォータースポーツも楽しめます。
季節で姿を変えるギルレヴィク滝、赤みを帯びたオトルクベリ湖
ギルレヴィク滝では、春と夏に水が景観の中を流れ落ちる様子を眺めながら、周囲の木々の下でピクニックを楽しめます。秋には色づいた葉があたりを彩り、滝がまた違った表情を見せます。冬になると氷瀑へと姿を変え、アイスクライミングができる壮観な自然の造形になります。
オトルクベリ湖は、ミネラルを豊富に含む水によってできた石灰華ダム湖です。独特な湖盆と地質構造は世界でも類を見ないものです。周囲の地面の割れ目から湧き出るミネラル豊富な水が、この地域の赤い土壌と混ざり合い、赤みを帯びた印象的な水面をつくり出しています。

山と高原を歩く、ゆったりとした自然の旅
エルズィンジャンは、ムンズール山地、エセンジェ(ケシシュ)山地、エルガン山地に囲まれていて、季節ごとに異なる冒険が楽しめます。エルズィンジャンとトゥンジェリの間にそびえるムンズール山地では、氷河湖やメルグなどの高原、深い森林がつくる壮大な景観が広がります。トレッキングに適しているほか、野生動物の観察、オフロードツアー、ロッククライミング、マウンテンバイク、星空の下でのキャンプもできます。
一年を通じてハイキングが楽しめるケシシュ(エセンジェ)山地には、トルコで最も標高の高い火口湖のひとつであるアユグル湖と、イェディ・ギョルレル(7つの湖)があります。アユグル湖では釣りやキャンプ、ボートツアーができ、イェディ・ギョルレルでは、一年を通じて雪を頂く山々と深い青色の湖の景色に出会えます。ムンズール山地とケシシュ山地は、パラグライダーの人気スポットでもあります。
人混みを離れて静かに歩きたい人には、レファヒエ地区のドゥマンル高原が向いています。ほかにも、豊かな自然と歴史が出会うケマフ、イリチ地区のバウシュタシュ村、ブドウ畑や庭園で知られるウズミュルなど、訪れたい場所は数多くあります。ウズミュルではブドウ畑を巡り、独特の風味で知られる地元品種、ジミン・グレープを味わえます。地元の人々に人気のピクニックスポット、エクシスには、天然の鉱泉と広大な公園、さまざまな鳥類を観察できる湿地、癒やしの湯を楽しめる温泉があります。

例年より早い雪で初滑走、エルガン山のゲレンデ
冬のエルズィンジャンでは、ムンズール山地の一部を成すエルガン山にスキーヤーや雪好きの人々が集まります。エルガンはトルコで最も新しいスキーリゾートのひとつで、最先端の設備を備え、スキーやスノーボードからトレッキング、スノーモービルまで楽しめます。今シーズンは例年より早く雪が訪れ、エルガン山スキー場で2026~2027年シーズン初となる滑走が行われました。標高約3,100メートルのエリアでは積雪が場所によって10センチメートルに達し、早くもスキーができるコンディションになりました。
エルズィンジャンでは、子どもたちにスキーの楽しさを伝える「スキーを知らない子どもをなくそう」プロジェクトも進んでいます。エルズィンジャン県知事府の支援のもと、青少年スポーツ局と教育局が連携し、学校でスキー用具に触れる機会を提供しています。シーズン開幕後にはエルガン山スキー場でのスキー体験も予定されていて、次の世代へのウィンタースポーツの普及を目指しています。

エルズィンジャン旅の手がかり
- アクセス:イスタンブル、アンカラ、イズミル、アンタルヤから直行便があり、イスタンブルからの所要時間は約2時間です。エルズィンジャン空港から市中心部へは、レンタカー、バス、タクシーを利用できます。景色を楽しみながら移動したい場合は、有名なイースタンエクスプレスも選択肢になります。エルズィンジャンはその主要停車駅のひとつです。
- 宿泊:チェーンホテルから温かみのある地元のゲストハウスまで、さまざまな宿泊施設があります。
- 味わいたいもの:エルズィンジャン・トゥルムチーズ、ジミン・グレープ、レファヒエ・ハニーなどの地理的表示製品があります。ラム肉を使ったケレジョシュや、ガセフェ、ロクなどの伝統的なデザートも地元で親しまれています。
- お土産:手鍛造の鉄製ドアノッカー、装飾的な銅器、本格的なケマリエ絨毯など、地域に受け継がれる職人技を映した品がそろいます。










