美術館の常設展、1,000円なら約8割が「行く」 国立美術館の値上げと11月3日の無料公開

株式会社つなぐるが運営するミュージアム応援プラットフォーム「ペレログ」は、2026年10月13日〜18日に「ミュージアムの入館料に関する調査」を行いました。調査対象は全国の18歳以上の男女で、722人から有効回答を得ています。調査では、美術館・博物館・科学館・動物園・水族館・植物園の6種類について、入館料がいくらまでなら行くかを尋ねました。回答者は募集に応じた人で、無作為に選んだものではありません。また、性別や年代の割り付けや重み付けは行っていません。そのため、結果は今回の回答者の傾向を示すものです。

国立美術館の所蔵作品展、一般料金が順次1,000円に
調査の背景には、国立美術館の料金改定があります。国立美術館は、所蔵作品展の観覧料金を2026年10月から順次改定しています。対象は6施設です。東京国立近代美術館、国立工芸館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館の5館は、一般料金がこれまでの300〜500円から1,000円になります。国立映画アーカイブの所蔵作品展は、250円から500円になります。施設ごとの一般料金と改定日は次のとおりです。
- 京都国立近代美術館:430円→1,000円(2026年10月24日)
- 国立国際美術館:430円→1,000円(2026年12月1日)
- 国立映画アーカイブ(所蔵作品展):250円→500円(2027年1月5日)
- 東京国立近代美術館:500円→1,000円(2027年2月9日)
- 国立西洋美術館:500円→1,000円(2027年3月20日)
- 国立工芸館:300円→1,000円(2027年6月22日)
改定の理由には、所蔵作品の展示の充実と時代に合った観覧環境の整備が挙げられています。あわせて、物価やエネルギー価格の上昇で展示に伴う経費が増えていることも理由とされています。高校生以下や18歳未満、65歳以上などの無料措置は続きます。なお、国立の博物館では、東京国立博物館の東博コレクション展(平常展)がすでに一般1,000円です。

「1,000円」と「1,500円」のあいだに大きな差
調査では、常設展などの通常の展示に大人1人で入る場合、入館料がいくらまでなら行こうと思うかを尋ねました。美術館では、500円でも行く人が89.2%、1,000円でも行く人が78.3%、1,500円でも行く人が49.7%でした。行こうと思う人の割合は、500円から1,000円で10.9ポイント、1,000円から1,500円で28.5ポイント下がります。この設問は美術館全般について聞いたもので、国立美術館に限った質問ではありません。
ほかの種類のミュージアムについても、1,000円と1,500円で回答の割合は大きく異なりました。博物館は75.9%と44.2%、科学館は70.8%と37.4%、動物園は82.1%と50.8%、水族館は87.1%と65.5%、植物園は56.6%と25.5%です。両者の差は、水族館が21.6ポイント、ほかの5種類は28.5〜33.4ポイントでした。
国立美術館の常設展の一般料金が順次1,000円に上がることについては、83.1%が「知らなかった」と答えました。「聞いたことはある」は12.9%、「知っていた」は4.0%です。過去1年に美術館に行った人(272人)でも、75.0%が「知らなかった」と回答しています。調査では、値上げの理由のうち経費の増加を示したうえで、一般1,000円をどう感じるかも尋ねました。経費の増加とは、物価やエネルギー価格の上昇で作品の輸送費や警備費が増えたことです。回答は、「高いと思うが、見たい展示があれば行く」が42.4%、「妥当だと思う」が41.4%、「高すぎて行く気がしない」が7.5%でした。過去1年に美術館に行った人(272人)では、「高いと思うが、見たい展示があれば行く」が50.4%と半数を超えています。
入館料を理由に行き先を変えた人も
過去1年にいずれかのミュージアムに行った571人のうち、53.9%は、入館料を理由に何らかの行動をとったと答えました(複数選択)。内訳は、「無料や安い施設に行き先を変えた」が23.3%、「行くのをやめた」が17.7%です。続いて、「特別展・企画展をやめて常設展だけにした」が15.9%、「行く回数を減らした」が15.1%でした。値上げに納得できる条件(複数選択)では、「展示内容が充実する」が67.6%で最も多くなりました。次いで、「料金の使い道(作品の保存・修復、動物の飼育など)が示される」が57.2%、「混雑が減り、ゆっくり見られる」が45.6%です。「どんな条件でも納得できない」は1.8%でした。

11月3日(火・祝)の文化の日は国立の8館で常設展などが無料に
文化の日(11月3日)や国際博物館の日(5月18日)などには、一部のミュージアムで常設展に無料で入れます。過去1年にいずれかのミュージアムに行った人のうち、64.3%はこのことを「知らなかった」と答えました。過去1年に美術館に行った人でも、56.6%が「知らなかった」と回答しています。全回答者では69.3%が「知らなかった」と答え、「知っていて、利用したことがある」人は全回答者の6.2%でした。2026年の文化の日(11月3日・火曜日の祝日)には、観覧料金を改定する6施設を含む国立の8館が、常設展などを無料で公開すると案内しています。
- 東京国立博物館:「東博コレクション展(平常展)」
- 国立科学博物館:常設展
- 東京国立近代美術館:所蔵作品展「MOMATコレクション」
- 国立西洋美術館:常設展
- 国立映画アーカイブ:常設展「NFAJコレクションでみる 日本映画の歴史」、企画展「没後70年 映画監督 溝口健二」
- 国立工芸館:企画展「デザイン・クロニクル展 なにが生まれて、なにが変わった?」
- 京都国立近代美術館:コレクション・ギャラリー(所蔵作品展)
- 国立国際美術館:コレクション展「開館50周年記念プレ企画 コレクション1:私/行為」(11月3日が最終日)
無料になる展示の範囲は館によって異なり、特別展などは別料金の場合があります。臨時の休館や変更もあるため、出かける前に各館の公式サイトで確認するよう案内されています。ペレログでは、文化の日に無料で楽しめる全国20施設を、特集記事で地域別に紹介しています。ペレログは、全国6,500以上の施設情報(2026年10月時点)を掲載するミュージアム応援プラットフォームです。iOS/Androidのアプリでは、訪れた施設でチェックインするとミュージアムスタンプがスタンプ帳に記録されます。チェックインに対応する施設や方法は、施設によって異なります。
出典:株式会社つなぐる










