草木を摘み、味わう滞在へ。南阿蘇に「阿蘇リトリート HONO」が11月2日開業


フォレジングを核にした、全17室のリトリート
熊本県南阿蘇村に、「阿蘇リトリート HONO by 温故知新」が2026年11月2日(月)に開業しました。手がけたのは、旅の目的地となる宿(デスティネーションホテル)をプロデュースする株式会社温故知新(本社:東京都新宿区、代表取締役:松山知樹)です。総支配人は野見山 開さんが務めます。
この宿が滞在の中心に据えているのは「フォレジング」です。阿蘇の野に入り、自分で草木を見つけ、摘み、味わいます。自然を眺めるだけで終わらせず、触れて、味わって、感じることで、阿蘇という土地を五感で体験する。HONOが提案するのは、そんな新しい滞在のかたちです。
舞台となる阿蘇は、世界最大級のカルデラを有する土地です。火山活動が生んだ大地には広大な草原が広がり、豊かな水が育まれ、温泉が湧き出します。ただ、その風景は自然だけでつくられたものではありません。草原では野焼きや放牧、採草など、人が自然に手を入れる営みが長く続いてきました。HONOは、自然と人が関わり合いながら時を重ねてきたこの土地で、ゲストにもその関係の中へ一歩踏み込んでもらいたいと考えています。ホテルの中だけで体験を完結させず、地域の人や生産者、受け継がれてきた文化や知恵とゲストをつなぐことを目指しています。

阿蘇とふれあう、6つの滞在のかたち
「食べられる庭」と、水の流れをたどるガストロノミー
レストランに隣接する「食べられる庭」(エディブルガーデン、エディブルマウンテン)では、日本の在来種を中心とした草木を育てています。庭づくりの監修は、日本各地の植物を研究する日本草木研究所です。苗の調達や施工、維持管理には、日本の在来植物の育苗や森づくりに長年取り組んできた大分県のグリーンエルムが携わっています。ゲストはフォレジングツアーで庭を歩き、その季節の草木に触れ、香りを確かめられます。季節によって出会える植物が変わるのも、この庭の楽しみのひとつです。
館内のレストラン「阿然人 – ASATO」が提供するのは「プリミティブ・ガストロノミー」です。阿蘇に降った雨は地下にしみ込み、湧水となって地上に現れ、川となって里を潤し、熊本の海へと注ぎます。この水の流れに着想を得て、阿蘇から熊本の海へとつながる土地の食材をたどるコースに仕立てています。料理長・今西大和さんは、毎朝スタッフが水源で汲んでくる湧水を料理に使い、薪などの火を使った調理も取り入れながら、山から里、そして海へと移り変わる風景を描きます。提供は夕食と朝食です。
阿蘇五岳を望む客室と、プライベート温泉
客室は全17室・6タイプで、広さは65㎡から168㎡までです。すべての客室に南阿蘇の「午王谷温泉」を引いたプライベート温泉があり、大きな窓の先には阿蘇五岳の山並みが広がります。泉質は単純温泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)で、滞在中は好きな時間に何度でも湯に浸かれます。一部の客室にはサウナと水風呂も備わっています。サウナで身体を温め、水風呂に入り、温泉に浸かる。その合間に、山から届く風に触れながら過ごす時間が用意されています。
ルームサインには、熊本・山鹿で400年以上受け継がれてきた「来民渋うちわ」と、阿蘇の大規模噴火による火砕流から生まれた「南関石」を採用しました。阿蘇の自然や人との関わりをモチーフに、17室それぞれ異なるデザインになっています。ミニバーには、日本草木研究所のお茶、阿部牧場の飲むヨーグルトや阿蘇ミルクアイス、みなみ阿蘇ビール、あか牛ジャーキーなど、阿蘇・熊本を中心に選んだ飲み物や菓子が並びます。
客室で受けるスパと、土地の手しごとが息づく空間
完全予約制のインルームSPA「CONTINUUM」は、客室をプライベートなスパ空間に仕立てて行う施術です。フォレジングをはじめ滞在中に触れてきた阿蘇の自然を、温度や香り、手触りを通して身体で感じるスパリチュアルとして構成されています。トリートメントには、阿蘇溶岩石、小国杉、阿蘇の草木を包んだハーブボール、阿蘇の水など、土地に由来する素材を使います。専用のスパ施設へ移動せず、阿蘇五岳を望む客室でそのまま施術を受けられるのも特徴です。
空間づくりでは、職人や作り手とともに新しい表現を生み出すことが大切にされています。ロビーには、阿蘇の草原の茅や小国杉、小国の土などの自然素材を使い、茅葺職人と一から共同開発したオリジナルのインテリアや什器をしつらえました。客室のファブリックには、阿蘇黄土を原料とする「ベンガラ」を用いた染色を採用しています。かつて使われながら現在ではほとんどつくられなくなっていた阿蘇のベンガラを、HONOの開業を機に復活させました。吹き抜けの廊下には、同じベンガラで染めたオリジナルの大型タペストリーも掛けられています。さらに、熊本・九州を中心としたアーティストや職人とのコラボレーションでアートワークを制作し、全17室に阿蘇の自然や文化、土地に受け継がれてきた物語をテーマにした、それぞれ異なるアートを配しています。

五感をひらき、「人間性の回復」へ
HONOが目指すのは、サービスを受け取るだけでなく、ゲスト自身が五感を使って土地や自然と関わる滞在です。日常から少し距離を置き、目の前の自然や身体の感覚に意識を向ける。見て、触れて、香り、味わい、感じる時間を重ねることで、本来持っている感覚を呼び覚ましていく。そうした滞在を通じて、「人間性の回復」につながる時間を届けたいとしています。総支配人の野見山さんは、阿蘇では人と自然が切り離されておらず、長い時間をかけて関わりながら今の風景がつくられてきたと話します。そのうえで、滞在を終えたゲストが阿蘇を少し身近に感じ、自分自身の感覚にもあらためて目を向ける時間になればと語っています。
- 施設名:阿蘇リトリート HONO by 温故知新
- 所在地:熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陰5298-1
- 開業日:2026年11月2日
- 客室数:17室(全室プライベート温泉付、阿蘇五岳ビュー)
- 総支配人:野見山 開
- アクセス:熊本空港から車で約30分
出典:株式会社温故知新










