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染めて、組み立てて、すりおろす。東海道・丸子〜宇津ノ谷で400年の手仕事をめぐる1泊2日

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染めて、組み立てて、すりおろす。東海道・丸子〜宇津ノ谷で400年の手仕事をめぐる1泊2日
染めて、組み立てて、すりおろす。東海道・丸子〜宇津ノ谷で400年の手仕事をめぐる1泊2日

「模型の世界首都」のルーツは、駿府に集った職人たち

静岡市は、プラモデルの国内製造品出荷額の8割以上を占め、「模型の世界首都」と呼ばれています(静岡市「静岡市プラモデル化計画」資料より)。そのルーツは、徳川家康ゆかりの駿府城、久能山東照宮、静岡浅間神社の造営にあります。造営のために全国から集められた職人たちが、そのままこの地に住み着いたのが始まりです。漆、駿河竹千筋細工、染めものといった駿府の手仕事は、のちに木製模型の技術となり、戦後のプラスチックモデル産業へと受け継がれてきました。

こうした職人文化がいまも色濃く残っているのが、東海道二十番目の宿場町・丸子(鞠子)宿から峠の集落・宇津ノ谷にかけての一帯です。都心から新幹線ですぐの場所でありながら、染めものや模型づくり、名物のとろろをすりおろす体験ができ、石畳や煉瓦のトンネルを歩き、職人の手による家具に囲まれて泊まることもできます。静岡市はこのエリアを舞台に、「つくる・味わう・安らぐ・歩く」をテーマにした1泊2日の旅を提案しています。

染めて、組み立てて、すりおろす。東海道・丸子〜宇津ノ谷で400年の手仕事をめぐる1泊2日

旅の起点・匠宿で、竹の展覧会「竹、光。」を開催

旅の入口となるのが、「駿府の工房 匠宿」で開かれる駿河竹千筋細工展覧会「竹、光。」です。古くから日本人の生活道具や文化を形づくってきた竹は、良質な竹が育つ静岡で、ハレ(非日常)にもケ(日常)にも幅広く使われてきました。展覧会ではこの静岡の“竹文化”に焦点を当て、駿河竹千筋細工をはじめとする工芸品の造形美、職人のこだわりと挑戦、その背景にある風土まで、さまざまな角度から紹介します。内田繁デザインの光る茶室「受庵」の特別展示のほか、竹を体感できる工芸体験や、カフェ各店での展示に合わせた限定メニューも用意されています。

  • 会期:2026年12月11日(金)~2027年2月8日(月)9:30~17:30
  • 休館日:火曜(火曜祝日の場合は営業、翌平日休業・年末年始短縮営業)
  • 会場:駿府の工房 匠宿内 匠宿伝統工芸館(静岡市駿河区丸子 3240-1)
  • 入場料:無料(体験料別途)
染めて、組み立てて、すりおろす。東海道・丸子〜宇津ノ谷で400年の手仕事をめぐる1泊2日

工芸と模型を体験し、430年続く名物を自分の手で味わう

JR静岡駅からバスで約30分、里山のふところに建つ「駿府の工房 匠宿」は、1999年に開業し、2021年に建築設計を手がける株式会社創造舎が指定管理者となって「歴史と未来を結ぶ場所」をコンセプトにリニューアルしました。第一線で活躍する職人が工房長を務める、日本最大級の伝統工芸体験施設です。最初の体験としてすすめられているのは、商品にならない茶葉で染めたトートバッグに好きなデザインを入れる「お茶染め」。館内には4つの工房があり、2023年8月には株式会社タミヤが監修する模型工房も加わりました。タミヤのエアーブラシシステムを備えた本格的な制作スペースで、プラバンを立体的に仕上げる花のアクセサリーや、自由に塗る恐竜模型、ミニ四駆の製作などを“完全手ぶら”で体験できます。伝統工芸と模型づくりがひとつ屋根の下に並ぶ、全国的にも珍しい場所です。

  • 工房 竹と染:駿河竹千筋細工、藍染、お茶染め
  • 工房 火と土:陶芸(手びねり・電動ろくろ・絵付け)
  • 工房 木と漆:木工指物、漆
  • 工房 星と森:木育スペース、模型(株式会社タミヤ監修「模型工房」)
  • 体験:500円~(税込)/事前WEB予約制・空きがあれば当日受付可
  • 住所:静岡市駿河区丸子3240-1/電話番号:054-256-1521
  • 営業時間:9:30~18:00/定休日:火曜(火曜が祝日の場合は営業、翌平日休業)
  • アクセス:JR静岡駅北口7番のりばから、しずてつジャストライン中部国道線(藤枝駅前行き)で「吐月峰駿府匠宿入口」下車、徒歩約5分

体験の合間のひと休みには、2026年7月に匠宿内から「和処 若松」へ移転し、新たにオープンした「The COFFEE ROASTER in WAKAMATSU」へ。駿河竹千筋細工の照明が灯る空間でハンドドリップ珈琲が味わえ、夜22時までのBAR営業では珈琲のオリジナルカクテルなどの夜限定メニューや「本気パフェ」も用意されています(CAFE 14:00~17:30〈L.O.17:00〉/BAR 18:30~22:00〈L.O.21:30〉、日曜は夜間営業なし、定休日は火曜・水曜)。匠宿内には、地元特産蜂蜜のカフェ「HACHI & MITSU」や和菓子の「蓬きんつば ときや」、工芸品がそろうギャラリーなどもあり、お土産探しにも立ち寄れます。

食の主役は、歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』にも描かれた丸子宿の名物「とろろ汁」です。慶長元年(1596年)創業の「とろろ汁の丁子屋」は、松尾芭蕉や十返舎一九の作品にも登場する老舗で、江戸初期の古民家を移築した茅葺屋根の店舗は国の登録有形文化財に指定されています。とろろ汁には静岡在来品種の自然薯と、半年間発酵させた自家製白みそを使用し、店内には歴史資料館も併設されています。創業430年を記念した歴史型食体験プラン「とろろ道入門所」では、14代目当主から浮世絵や歴史、自然薯文化を学びながら、自らすり鉢で自然薯をすり、白みそを合わせていく約2時間の体験ができます。最上位コース「真骨cho!」には揚げとろや梅とろ、自然薯アイスも登場し、すべての工程を終えると「免許皆伝書」が授与されます。

  • 丁子屋 住所:静岡市駿河区丸子7-10-10/電話番号:054-258-1066
  • 営業時間:平日11:00~14:00(L.O.)/土日祝11:00~15:00(L.O.)、16:30~19:00(L.O.)
  • 定休日:木曜(月末は水曜・木曜の連休)
  • アクセス:JR静岡駅北口7番のりばから、しずてつジャストライン中部国道線で約20分「丸子橋入口」下車すぐ
  • とろろ道入門所 料金(税込):真骨cho!6,050円/最高cho!5,060円/絶好cho!4,400円、学割(小学生~大学生)5,500円/4,510円/3,850円
  • 開催時間:平日11:00~13:00、土日祝16:00~18:00(約2時間)※定休日・繁忙期は除く。対象6歳以上
  • 予約方法:じゃらん遊び・体験予約から受付
染めて、組み立てて、すりおろす。東海道・丸子〜宇津ノ谷で400年の手仕事をめぐる1泊2日

古民家の宿と木組みの湯処で休み、翌朝は街道の風景へ

宿泊先として紹介されているのが、鞠子宿の里山に建つ築100年超の古民家をリノベーションした「工芸ノ宿 和楽」です。「OCHA SPA」を併設する3室のフロント棟と、サウナ・檜風呂を備えた5室の一棟貸し別邸からなり、全室に静岡の伝統工芸品や職人手作りの家具がしつらえられています。朝食は敷地内の「和処 若松」でとり、駿府の工房 匠宿や丁子屋へも徒歩で行けます(住所:静岡市駿河区丸子3375-1/電話番号:050-5530-4338/客室数8室/料金は1名39,400円より〈2名1室・朝食付きの場合〉、部屋や時期により異なる)。

2025年1月26日(いい風呂の日)に開湯した「ふきさらし湯」は、古い梁を移築し、手作業で組み上げる「丸太工法」で建てられた湯処です。お湯には硬度成分を極限まで除いた「美肌軟水」を使い、フィンランド製ストーブでのセルフロウリュや水深110cmの水風呂も備えています。営業は7:00~19:00(最終入浴18:30)、金・土は21:00まで(最終入浴20:30)で、定休日は火曜(祝日の場合は営業、翌平日休業)。入浴料は大人(中学生以上)サウナ付きが平日1,300円・土日祝1,500円、お風呂のみが平日800円・土日祝900円、子ども(4歳以上)は500円です(住所:静岡市駿河区丸子3288-2/電話番号:054-270-7251)。

2日目の散策は、ふきさらし湯のそばにある古刹「吐月峰柴屋寺」から。1504年に連歌師・宗長が結んだ草庵が起源で、竹林から月が昇る情景から「吐月峰」と呼ばれています。周囲の山々を借景にした庭園は国の名勝・史跡に指定され、足利義政ゆかりの「文福茶釜」などの寺宝も伝わります。峠を越えた宇津ノ谷には、石畳の道と伝統的な家並みが残り、屋号の看板が掲げられた坂道を上ると、明治9年(1876年)に日本初の有料トンネルとして開通した「明治のトンネル」に着きます。赤レンガの内壁をランプが照らすこのトンネルは、現役トンネルとして初めて国登録有形文化財に指定されました。峠には「大正」「昭和」「平成」に造られたトンネルも並んでいます。

  • 吐月峰柴屋寺:静岡市駿河区丸子3316/電話番号:054-259-3686/拝観時間10:00~16:00/拝観料 大人400円、小人200円/JR静岡駅から中部国道線バス「吐月峰駿府匠宿入口」下車、徒歩約10分
  • 宇津ノ谷・明治のトンネル:静岡市駿河区宇津ノ谷/JR静岡駅北口からバス約30分、明治のトンネルまで徒歩約15分

出典:静岡市

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